丘の上 陽のあたる部屋

 

The VaselinesのSon of a Gun

最近はカヒミカリィのこの曲のカバーをずっと聴いてる。

キュートがあり余っている!

 

Son of a Gun

 

Swing swing up and down
Turn turn turn around
Round round around and about and
Over again
Gun gun son of a gun
You are the only one
And no one else will
Take my place


The sun shines in the bedroom
When you play
And the raining always starts
When you go away

 

ゆらゆら上に下に

ぐるぐる回る

あちこち巡って

もう一回


Gun Gun Son of a Gun

君はオンリーワン

それに僕に代わるひとなんていない

 


寝室には陽が射すの

あなたがプレイしてる時

なのにあなたが行ってしまうと

いつも雨降り

 

帰れない二人

 

彼は動物的で、詩的で、あたたかな血の通う人。

わたしにとっては、優しく拾って包んでくれるスーパーマンでもあり、同じ星からやってきた同胞のような気持ちも抱く。

 

彼とは異性である以前に、人間として、出会えたことがとても嬉しい。

 

午前四時に家を出て、玄関前の冷たい石畳の上で迎えた白い朝。あの2時間の、トップスピードの冒険に、恋の始まりを感じてしまうのは必至だったのかも知れない。

 

だけど、困ったことに、彼には事情がある。

わたしにまっすぐになれない事情。

わたしも、その壁の前に困ってしまっている。

いつもの逃走癖が、わたしを後押しし始めている。

 

横浜で彼に文章を書いた。書いているうちに気持ちがまとまって、少し考えが変わったので、この文章を彼に送ることは無いだろう。だからせめてここに一部を留めておく。

 

“ところが、ここ山下公園 氷川丸の船上で、私は気づいてしまいました。

私はあなたにとって、流れていくべき存在なのかな、と。

あなたと彼女と、ふたりの過ごした長い長い時間の前に、私は無力だ。

あなたはきっと、街で、部屋で、夢で、あらゆる場所に彼女の面影を見る。

時に私との間にも。

私はそれを想像したら、とても悲しい。

私は弱い人間だから、それを感じるとすぐにぺしゃんこになってしまうと思う。

だけど、あなたたちのその時間を、消してほしいとは思いません。

美しいものは、抱いたままでいてほしいから。

ただ、今のあなたと恋愛関係を築くのが怖い。

これが私の、ありのままの気持ちです。”

 

中華街の雑踏の中、涙が出た。顔は歪んでいたと思う。裏路地に入って、壁にもたれて泣いていたら、中華料理屋の白いエプロンをつけた料理人が数人、横を通って行った。彼らはキビキビを緩ませることなく、ちらと私の顔を見て、そのまま通り過ぎた。その反応はなんだかありがたかった。具材のたくさん入った豚まんを食べながら、もう少し泣いた。

 

でも、涙を流して、気がついた。

わたしは、ハッピーでいたい。

過去に涙を流すことは、いくらだってできてしまう。けれど、いまほしいのはそれじゃない。前に、前に行く力。いまだってすぐ過去になってしまうんだ。過去はやがて大過去になって、きれいな思い出になってくれる。

だから、彼にとってわたしは前に進む力になりたい、と思った。そのためには、毅然として、わたしはわたしの人生をハッピーに過ごす努力をする。わたしができるのは、そういうことじゃないのかな、と思った。

 

もうすぐ五月。一年のうちで一番好きな時期。爽やかに、軽やかに、伸びていくことは、きっと難しくない。

 

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とある行為の目撃者

 

四年生になった。

八時半 久々 早朝の西武国分寺線

向かいの椅子のぎりぎりひとり分空いた隙間に、大きな体をねじ込んでいるひとがいたから注目した。

彼は座るやいなや、暖かそうなフリースを脱ぎ、膝に丸めて置き、手に持っていた750mlペットボトルのコカコーラを開けた。

幸せそうに一口飲んだ。

 

それからリュックサックを開け、手のひらサイズの、うす汚れた、ミッフィーちゃんを掬い上げた。彼は再びコカコーラのキャップを開けると、ミッフィーちゃんの口元にボトルの口をあて、ゆっくりと慎重に、傾けた。

コーラ色の液体がほんのすこしだけミッフィーちゃんの口元に触れた。瞬間すぐに、ボトルを直した。

彼は大事そうにミッフィーちゃんを撫でると、リュックサックにしまった。

 

ぬいぐるみが布でできていて、布が液体をはじかず、じんわりと吸収することができるから、本当に良かったと思った。

靄靄

 

 

高校生の時、愛を撒くのが怖くなかった。

減るものだという意識も無かったし、撒いたら撒いたで反響があるのも感じていたから。

 

それがどうだ。21歳の自分はひとりの人間を愛することをこんなにも恐れてる。それがはね返されたとき、自分が繕いようもないほどぼろぼろになってしまうんじゃないかと思うから。

弱いなぁ。脆いなぁ。

身軽な関係に慣れてしまって、一歩踏み込んだ関係作りってものを忘れかけている。ひとりと向かい合うこと。ひとりひとりと向かい合うこと。

 

兎丸さんは怖いと言っていた。自分の今の仕事が、いつだって怖いと。だけど、楽しいの方が多い、とも言っていた。

自分は自分だけ守っていれば良いはずなのに、失うものなんて大してなかろうに、まっすぐ進むことがこんなに竦む。

 

シベリア

 

しみずやのおじいちゃんが、きのうフランスパンを焦がしたらしい。あれほどベテランで、毎日毎日パンを焼いていても、うっかりすることがあるんだね。その話を耳にしたわたしはなんだかすごくほっとした。

 

わたしの前に並んでいたマダムが、シベリヤちょうだい、って言ったら賺さずシベリ ア だよ、っておじいちゃんは笑いながら訂正した。目の前の人に対してぞんざいさがなくて、それでいてユーモラスで、憧れる姿勢だった。

 

初めて食べたたまごサンドは白身が細長く細かく切られていて、舌が楽しかった。パウダー状の胡椒が繊細ながらも香りとして感じられた。

 

ありがとうおじいちゃん。ごちそうさま。

ばったり三昧

 

湛えての上映を終えた次の日。

T氏のお誘いを受けて、川合さんと奇奇さんとジブリ美術館に行った。宮崎駿監督が二年間かけた15分間のCGアニメーション、毛虫のボロを見た。心くすぐられる、とってもキュートなボロ。ふざけたタモリさんの声だけの音響。小さい目で見た大きな大きな自然。空気を舞う透明なキューブ。光合成

最後のクレジットでパッと目に飛び込んだ、高木創 氏 の文字。あら!だって昨日会ったばかりの人だった。似てるからとよくわかんない理由でツーショットも撮ってもらった。授業の教師陣でなんとなく居心地が良かった方だった。技術でちゃんと、フォローしてくれるし。

そういえばジブリの音響もやっていると言っていたな〜。

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6時頃吉祥寺駅で解散したから、ひとり吉祥寺アップリンクに寄ってみた。何を見るわけでもなかったけど、T君が今日ここで映画を見ないかと呼びかけてたこともあって、なんとなく来てみた。もうその映画は始まってたし、他に見るものもなかったので、トイレにだけ寄って帰ろうかと思った。トイレの個室から出ようと扉を開けたその時、あらまあ!よく知った、昨日も見た顔が斜め前の個室からちょうど出て来たもんだから、えーーーーーって叫んだ、ふたりして。結構大きい声出してたな、まわりのひとびっくりしてたかな、、。彼女はたかが世界の終わり を見終わって、これから帰るとこだった。こんなミラクルってあるんだね。彼女はエクセルシオールに、わたしは歩いて家に、各々別れた。

 

翌日、この日はアメリカコメディ番組の美術インターンで大久保に来ていた。ここ一年散々通った大久保に、続けて別の用でやって来るこの偶然もなかなかなものだが、この後さらなる偶然がわたしをびっくりさせるのだった…。

というと少しハードル上げすぎかも。

大久保の倉庫から100均に買い物に行く道すがら。いつも通り多国籍な大久保駅新大久保駅への道。テレビリポーターが欧米系の男の人にカメラとマイクを向けてた。肩にはQさま と書いてあった。ほ〜取材してる。なんて思いながら100均へ。買い物を済ませて外に出ると、また別の男の人にQさま隊が声をかけていた。また欧米系のひとなのかな〜なんてちらっと見てみると、なんだ知ってる顔が、、あれれ!Douglas…!高校時代に半年だけ授業してくれた。映画を字幕なしの英語で見る授業だった。フォレスト・ガンプとかマイフェアレディとか、dr.Tと5000本の指とか、観たな、、

彼がわたしを覚えてるとも思えなかったし、インタビュー中だったから声はかけなかったけど、なんともびっくりな再会だった。

 

そして今日。インターン代の請求書が今日必着だった。先延ばししてしまっていたから、気付いたら当日だった。ポストに入れるのは怖いし、郵便局に出しに行こうと思い10時半、駅前の郵便局へ。今日必着で!と意気揚々とお願いしたら、今日出す分は、10時に締め切ってしまいました…と。 ガビーン。近所の大きめの郵便局も10時半締め切りなのでもう間に合わず、、仕方なく渋谷区の住所に直接届けに行くことにした。桜ヶ丘から大和田を通り過ぎ、クオモの向かいあたりの建物。ガラス張りに植物の繁る、オッシャレ〜なオフィスだった。コレ不法侵入みたいに思われないかな、と少しドキドキしていると、入り口近くの喫煙所に、見たことのある顔を発見…。ありゃ〜!衣装デザイナーのO氏だった。前に一度お会いしたことがあったけど、向こうは覚えていないだろうし、わたしの心が向いているのはやはりI氏だと思い、声はかけなかった。しかしこんなにタイミングよくばったりできたのは嬉しかった。

 

わたしが一方的に認知しているように、わたしが街をアホっぽく歩いているのを、どこかの目が捉えているんでしょうかね。あ〜コワイコワイ。